「ホワイトニング」とうたう歯磨き粉は、ドラッグストアの棚にもAmazonにもずらりと並んでいる。NONIOのように口臭ケアと一緒に打ち出すものもあれば、シュミテクトのように知覚過敏ケアとセットのものもあり、「研磨剤が強いのでは」「毎日使って大丈夫なのか」と迷う人も多いはずだ。この記事では、Amazonの大人用ハミガキ粉ランキングとレビューをもとに、市販で買えるホワイトニング系の5商品を比べた。あわせて、選ぶときに知っておきたい研磨剤と有効成分の考え方も整理している。なお、ホワイトニングでまず名前が挙がるブリリアントモアを比較表に入れていない理由は、すぐ下に先に書いた。
先に:ブリリアントモアを比較表に入れていない理由
ホワイトニング歯磨き粉と聞いて、まずブリリアントモアを思い浮かべた人も多いと思う。ライオン歯科材の歯科専売品で、清掃助剤としてピロリン酸ナトリウムとポリリン酸ナトリウムを使い、ステインを浮かせてブラッシングで落とすタイプだ。今回の比較表に入れなかった理由は、Amazonでの価格にある。
ネットの店頭・通販相場は1本あたり1,000円前後だが、執筆時点のAmazonでは、外部の出品者が1本2,080円前後で出していて、「定価の3倍で売りつけられた」というレビューもあった。取り扱いは歯科医院やバラエティショップが中心で、ドラッグストアで見かける店もあるが、店舗によって異なる。買うなら、まず歯科医院やドラッグストア、公式系のショップの価格と見比べたほうがいい。なお、レビューでは「着色が気にならなくなった」という声がある一方、「値段の高いクリニカという印象だった」という声もあり、評価は分かれている。
こんな人には向いていない記事です
歯科医院で行うホワイトニングのように、歯そのものの色を明るくしたい人には向いていない。市販の歯磨き粉で言う「ホワイトニング」は、コーヒーや紅茶、タバコなどで歯の表面についた着色汚れ(ステイン)を落とすことを指し、歯の内側の色を変えるものではない。歯がしみる、歯ぐきから血が出る、歯の色が急に変わったといった症状がある人は、歯磨き粉で解決しようとせず、歯科医院で相談してほしい。また、今回の1450ppmのフッ素配合品は6歳未満には使えない。
選ぶときに見るべき基準3つ
1つ目は、汚れの落とし方と研磨剤の考え方だ。ホワイトニング系の歯磨き粉は、シリカ(無水ケイ酸)やアルミナなどの清掃剤で汚れをこすり落とすタイプと、ポリリン酸Naなどでステインを浮かせたり付きにくくしたりするタイプ、その両方を組み合わせたタイプに分かれる。研磨力の目安にはRDA(象牙質研磨性)という数値があり、国際規格のISO 11609では250が上限とされていて、国内の歯磨き剤もこの範囲に収まるとされている。ただ、今回の商品はAmazonの商品ページでRDAの数値を確認できなかった。数値を公表していないメーカーが多いため、「研磨力が強い」「弱い」を成分表だけで断定することはできない。
2つ目は、毎日使えるかどうかだ。歯科医の間でも意見は分かれていて、「研磨剤入りは週に1〜2回にして、毎日使うならフッ素高濃度のものを」という考え方もあれば、「基準内の商品なら問題は小さく、それよりも力を入れすぎるブラッシングのほうが影響が大きい」という考え方もある。どちらにしても、歯ぐきが下がっていたり知覚過敏があったりする人は、強く磨かないことと、口に合わなければ使用をやめることが大切だ。今回のレビューでも、毎日使えると書く人と、ピリピリして続けられなかったという人の両方がいた。
3つ目は、価格と容量だ。100gあたりで見ると、クリニカが約287円、NONIOが約380円、クリアクリーンが約425円、シュミテクトが約788円、アパガードが約1,310円と、4倍以上の開きがある。フッ素が1450ppm配合かどうかも商品によって違い、アパガードの成分表示にはフッ素の記載が見当たらなかった。むし歯予防も重視するなら、ここは確認しておきたい。
比較表
| 商品名 | 特徴 | 価格(内容量) | 100gあたり | 評価 |
|---|---|---|---|---|
| NONIO プラス ホワイトニング 130g×2個+フロス【医薬部外品】 | 口臭ケア併用・アルミナとシリカで着色汚れに | 約987円(130g×2個) | 約380円 | 4.3(14,485件) |
| クリニカ アドバンテージ +ホワイトニング 130g×3個【医薬部外品】 | むし歯予防と歯垢ケア中心・価格が安い | 約1,120円(130g×3個) | 約287円 | 4.4(3,461件) |
| クリアクリーン プレミアム 美白 160g【医薬部外品】 | 大容量・低価格・つやのある仕上がり重視 | 約680円(160g) | 約425円 | 4.2(2,663件) |
| シュミテクト やさしくホワイトニングEX 95g×2本【医薬部外品】 | 知覚過敏ケアとホワイトニングの両立 | 約1,498円(95g×2本) | 約788円 | 4.3(931件) |
| アパガード プレミオ 105g | ナノハイドロキシアパタイト配合の高価格帯 | 約1,375円(105g) | 約1,310円 | 4.2(1,526件) |
※価格・評価は執筆時点のものです。最新の情報は各商品ページでご確認ください。セット売りの商品は、100gあたりを全体の内容量から計算しています。
商品ごとのレビュー傾向
NONIO プラス ホワイトニング 130g×2個+フロス
成分表示では、清掃剤に無水ケイ酸A、光沢剤に酸化Al(アルミナ)、薬用成分にポリリン酸Naとフッ化ナトリウム(1450ppm)などが並ぶ。良い点は、「ホワイトニング歯磨き粉には日を空けて使うものもあるが、これは毎日使えるので続けている」「コーヒーで歯の裏側が着色していたが気にならなくなった」「口の中がスッキリする」といった声。レビュー数が1万4千件を超え、リピートしている人が多いのも特徴だ。
気になる点は、刺激に関する声が目立つことだ。「舌や口の中がピリピリして使えなかった」「唇のまわりが荒れた」「磨いたあとにしっかりゆすがないと薬剤が残る感じがする」という報告が複数あった。研磨に触れた声は少なく、「磨けている感じ(研磨剤感)はある」と書いた人がいた程度で、「研磨剤が強すぎる」と断定できる材料は今回のレビューからは見つからなかった。ほかには、「地元の薬局のほうが安かった」という声や、フロスだけで歯磨き粉が入っていなかったというセット内容の不備、キャップの締まりの悪さも見られた。
向いている人:口臭ケアも一緒にしたい人。口の中の爽快感を重視し、刺激を感じにくい人。
クリニカ アドバンテージ +ホワイトニング 130g×3個
むし歯予防を中心にした薬用歯磨きで、成分表示には無水ケイ酸、ポリリン酸Na、フッ化ナトリウム(1450ppm)、デキストラナーゼなどがある。良い点は、「歯が白くなった気がする」「別のブランドの代わりに使っていて、コスパを最優先に選んだ」という声。100gあたり約287円で、今回の中でいちばん安い。
気になる点は、使用感の好みが分かれることだ。「ざらっとした使用感で味も強い」「粒が残り、ゆすいでも残る」という声があり、「研磨剤が強く、歯ぐきに粒が挟まる」と感じた人もいた。ホワイトニングの実感については、「効果を感じなかった」「使い始めてから茶色い汚れがついた気がする」という声があった。低評価の中には、3本セットで2本しか入っていなかった、開封済みで届いた、おまけが入っていなかったといった内容や配送の不満も多く見られた。
向いている人:とにかく価格を抑えて、毎日の歯磨きにホワイトニング系を取り入れたい人。むし歯予防も意識したい人。
クリアクリーン プレミアム 美白 160g
清掃剤として無水ケイ酸とWa顆粒、薬用成分としてモノフルオロリン酸ナトリウムや塩化セチルピリジニウムを配合している。良い点は、「毎日コーヒーを飲むので着色が気になって選んだ」「磨いたあとのツルツル感がいい」「ペーストが柔らかく、電動歯ブラシとも相性がいい」「辛すぎず使いやすい」といった声。ホワイトニングの効果はわからないが、味がさっぱりしていて大容量なのが便利というレビューもあった。
気になる点は、刺激や仕上がりの声が割れていることだ。「歯ぐきや唇の裏の皮がむける」「削る感じがする」「磨いた感があるだけだった」という声があり、「使っているうちに歯が黄ばんできた」というレビューも2件あった。「化粧品のような味」という味の好みの声や、洗面台に置くとキャップの内側にカビが生えたという声もある。出品者による配送では、110gの別サイズが届いた、箱が開封されていたという報告もあった。
向いている人:低価格で大容量を使いたい人。ペーストが柔らかめのほうが使いやすい人。
シュミテクト やさしくホワイトニングEX 95g×2本
硝酸カリウムを配合した知覚過敏ケアの歯磨きで、清掃剤には含水ケイ酸(改良ツインシリカ)を使い、ポリリン酸Naとフッ化ナトリウムも入っている。ホワイトニング専用ではなく、「歯がしみやすい人がホワイトニングも意識する」ための選択肢だ。良い点は、「歯がしみなくなって驚いた」「少量でも磨けて長持ちする」という声が中心で、「白くなった」という声もあった一方、「ホワイトニング効果は実感しない」と書いた人もいた。
気になる点は、Amazon版の仕様についての声だ。「キャップが回すタイプで、通常品のワンタッチと違って使いにくい」「中身のテクスチャが緩い気がする」「内容量の記載が実際と違っていた」という指摘があり、偽物かと疑った人もいた。おまけが入っていなかったという声も複数ある。刺激については、「口の中が荒れた」「かえって知覚過敏になった」という人もいて、シュミテクトの別の商品では問題なかったという書き込みも見られた。
向いている人:歯がしみやすいが、着色も気になる人。低刺激側の選択肢を探している人。
アパガード プレミオ 105g
ナノサイズの薬用ハイドロキシアパタイトを配合した、価格が高めの商品。成分表示には、基剤としてリン酸水素カルシウムと無水ケイ酸があり、薬用成分にはハイドロキシアパタイトやグリチルレチン酸などが並ぶ。フッ素の記載は見当たらなかった。良い点は、「5年以上使い続けている」「安い歯磨き粉に変えると徐々に黄ばんでくる」「歯科衛生士の立場でも、着色がひどい人にはすすめられる」といった、長く使っている人の声だ。
気になる点は、価格と期待とのギャップだ。「白くならなかった」「高い割に違いがわからない」「NONIOのホワイトで十分だった」という声があり、「研磨剤なしだと思って買ったが、成分に研磨剤が入っていた」という指摘もあった。知覚過敏やエナメル質が弱い人には刺激が強めだったという声もある。配送では、箱がへこんで届いたという報告があった。
向いている人:価格が高くても、長く使うブランドとして試したい人。フッ素配合でなくてもよく、ほかの方法でむし歯予防をしている人。
低評価レビューで指摘が集中していた点
1つ目は、刺激と口内トラブルだ。NONIO、クリアクリーン、シュミテクトの低評価では、ピリピリする、唇や歯ぐきの皮がむける、口の中が荒れたといった声がそれぞれに見られた。ホワイトニング系は毎日使うものなので、合わないと感じたら無理に続けないほうがいい。
2つ目は、効果を実感できないという声だ。全商品で「白くならなかった」「違いがわからない」というレビューがあり、逆に「使ううちに黄ばんだ」と書く人もいた。着色の量や食習慣、磨き方によって差が大きい分野で、歯磨き粉だけで大きく変えるのは難しいと考えたほうがいい。
3つ目は、商品ではなく販売やセット内容のトラブルだ。3本セットで2本しか入っていない、おまけが欠品している、開封済みで届く、内容量の記載と実物が違うといった報告が、クリニカ、NONIO、シュミテクト、クリアクリーンに集中していた。Amazonで買うときは、届いたときに内容を確認しておきたい。
使い方別のおすすめ
毎日使う前提で、口臭ケアもまとめたいなら、レビュー数が多いNONIOが有力だ。ただし、ピリピリ感を訴える人もいるので、まず1セットで試したい。価格を最優先にしたい、むし歯予防もおろそかにしたくないなら、クリニカがいちばん手頃だ。大容量で低価格の柔らかいペーストがいいなら、クリアクリーン。歯がしみやすいが着色も気になるという人は、シュミテクトのやさしくホワイトニングEXが選択肢になる。予算に余裕があり、長く使う一本を探しているならアパガードを検討してもいいが、フッ素の記載がない点は確認しておきたい。研磨剤が心配な人は、どの商品でも強くこすらず、やわらかい歯ブラシで軽い力で磨くことが前提になる。
まとめ
ホワイトニング系の歯磨き粉は、成分表示だけでは研磨力の強さを比べられず、レビューを見ても「強すぎる」と断定できる材料はなかった。むしろ、刺激の感じ方と、期待した白さが得られるかどうかで評価が分かれるジャンルだと分かった。100gあたり約287円から約1,310円まで4倍以上の開きがあるが、価格の高さと満足度は比例していない。まずは、フッ素の有無と自分の歯や歯ぐきの状態を確認し、安価な商品から1本ずつ試すのが近道だろう。気になる症状があるときは、歯科医院で相談してほしい。


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